ファンクショナルトレーニング

サッカーにおいて良いパスかどうかの判断基準は、適切な場所、適切なタイミング、適切なスピードでボールが味方に渡るかどうかにあります。つまり、どのようにしてそのボールが蹴られたか、というのは1番に評価されるべきところではありません。


サッカーは「最終的にもたらされた結果」が重要なのであり、「理想的なテクニック」自体を追い求めるものではありません。こういった「テクニック」の捉え方を『ファンクショナルテクニック(サッカーの中で機能するテクニック)』と呼びます。

とはいえ、サッカーの世界では「テクニック」という言葉がいかに上手にボールを扱えるか、という風にしか捉えられていない場合がほとんどです。例えば、一般的に「テクニック」というと、本来サッカーには欠かせない「状況判断」などの要素から切り離した状態のボール扱いをさすことが多いです。

ところが、「状況判断」などの要素と「テクニック」というのはお互いに影響し合っているため、独立させて考えることはできません。「状況判断」を無視して考えると「テクニック」はそれ自体が目的となってしまう、いわば手段の目的化を招いてしまうおそれがあります。逆に、「状況判断」に優れている選手でも、ボールコントロールやパス自体がうまくできない選手は、試合の中でその能力を発揮することはできません。

サッカーのトレーニング = テクニックトレーニング

『サッカーのトレーニング』というのは、サッカーの原理原則を考慮したゲーム形式のトレーニングのことを指します。そのため、トレーニングを発展させて行く場合には、常に11対11を原点に考える必要があります。ただし、その目的によっては11対11が理想的なトレーニングにならない場合がもちろんあります。

特に、『サッカーのテクニックトレーニング』を考える場合、11対11のゲームから複雑性や予測不可能な状況といったサッカーの典型的な性質を失うことなく、単純化することが求められます。

ポジション別テクニックトレーニング

もちろん、ピッチ上のどのポジションの選手も全てのサッカーのアクションができる必要がありますが、ポジションによってアクションを起こすために与えられる時間やスペースが異なるため、各選手が起こすアクションもポジションごとに特徴があります。

例えば、前線の選手は相手ゴールに背中を向けた状態でボールを受けることが多く、ディフェンダーの選手はほとんどの場合、相手が自分の前にいる状況でプレーすることになります。

結果的にどのサッカーのアクションをとっても、そのアクションの「ポジション」「タイミング」「方向」「スピード」は選手のポジションごとに異なる性質を持ったものになります。