サッカー選手へのパーソナルコーチング
サッカーが持つ大きな特徴のひとつに予測不可能性があり、瞬時に状況が変化する試合の中では、選手自身に状況判断とプレーの選択の責任がゆだねられます。サッカーは「プレーヤーズゲーム」と言われるように、試合が始まればコーチがプレーごとに何をすべきかを指示して、選手を操るようなことはできないスポーツです。
ところが、特に試合中にミスが起こりそうな時には、ライン際から選手のプレーを操ろうと指示するコーチがまだまだ多く見られます。
試合中に選手が直面する問題に対して、その都度その瞬間に解決策を提示してしまうことで、問題解決の責任がコーチに委ねられるようになってしまいます。結果として、アウトオブプレーで試合が中断する度に、選手はライン際に立つコーチからの指示を待つようになり、受動的でコーチに左右される選手に育ってしまいます。試合中に起こるピッチ上での問題はチームの問題となるべきで、選手は自分たちでその問題を解決出来るように育って行かなければならないはずです。
では、選手が自分たちで試合中の問題を解決できるようになるためには、どのようなコーチングスタイルが最適でしょうか?
チームへのコーチング
残念なことに、現在「チームビルディング」という言葉は、例えばアドベンチャートリップなど、チームのプレースタイルを直接改善するようなものではないアクティビティに使われています。もちろん、こういったアクティビティを通して選手の人間性に影響を与え、ピッチ上でのプレースタイルの改善を間接的に促すことはできるのでしょうが、それによってチームの攻撃、守備、切り替えが突然上達するといったことは起こり得ません。
1970年代にトータルフットボールの概念を築き上げ、サッカー界で伝説的なコーチとなったリヌス・ミケルス氏は、その実現に必要とした状況を「チームビルディング」だと定義しました。つまり、サッカーの世界で「チームビルディング」とは、チームが攻撃、守備、切り替えのプレースタイルを発展させていくことだと言い換えられます。
では、こういったピッチ上でのサッカーのチームビルディングプロセスの発展を促すには、どういったコーチングスタイルが最適でしょうか?
指導者へのコーチング
指導者はどこに行っても指導者の立場から離れることはありません。ではこの状況で、指導者は自分の人間性や、その人間性が選手、スタッフ、クラブ役員、スポンサー、ジャーナリスト等に与える影響を考えることができるでしょうか?あるいは、自分の人間性と向き合う時間を作れる指導者はどれくらいいるのでしょうか?